【初めてのグラス選び】シャンパーニュグラスってどんなもの?

【初めてのグラス選び】シャンパーニュグラスってどんなもの?2015.08.05 UPDATE

Vol.4【初めてのグラス選び】シャンパーニュグラスってどんなもの? ワイングラスとワインの関係は、密接で深い。ワインを選ぶようにグラスも吟味すれば、ワインの楽しみはいっそう広がる。 今回の対談 阿部誠氏とウォルフガング・アンギャル氏

今回のテーマ

シャンパーニュグラスってどんなもの?

シャンパーニュグラス選びチャート

シャンパーニュにも専用グラスが必要!?

記念日やパーティーなど、祝福の乾杯に欠かせないシャンパーニュ。そんな晴れやかな シーンに最適なグラスは?と、「リーデル・ジャパン」代表取締役社長のウォルフガング・アンギャル氏に聞いた。
「シャンパーニュは、発泡性のものが誕生したとされる17世紀は甘口のものが主流で、パンや固いケーキなどを漬けて食べることもあったようです。そこで食器のように使えるクープ型が広まったという説があります」
時代が下ると辛口シャンパーニュが生まれ、香りや味わいもさまざまに広がった。そして、フルート型や、白ワイングラスのように膨らんだ形のグラスも登場している。
「白ワインや赤ワインをグラスで飲み分けるとワインの楽しみが広がるように、シャンパーニュも、それぞれが持つ特徴によってグラスを使い分けると、今まで気付かなかった香りや味わいの世界をもっと体感できるようになります」とアンギャル氏。シャンパーニュの深い魅力を探るためにも、専用グラスが必要なのだ。

選択肢の広がる専用グラスとシャンパーニュ

「細めのフルートグラスは、シャンパーニュならではのきめ細かな泡が立ち上り続けて、眺めているだけでも楽しい。グラスを口に付けると、舌先から直線的にのどの奥へ液体が流れ、そのため果実味をしっかり感じることができます。また、やや膨らみのある太めのフルート型なら、香りと味わいのバランスが程よく楽しめます。さらに深い香りと味わいを機能的に引き出すのが、卵形グラス。これは熟成したプレステージ・シャンパーニュを味わうのに最適です。煙突型のグラスなら、ピノ・ノワールで造ったシャンパーニュやロゼにお勧めです。複雑な香りと果実味を引き出してくれます」とアンギャル氏。シャンパーニュグラスの選択肢は、近年ますます広がっている。

泡用グラスは多種多様

アンギャル:今日は、シャンパーニュやスパークリングワインにお勧めしているグラスを5種類用意しました。スパークリングワインの中でも、瓶内2次発酵によるきめ細かい泡が楽しめるのがシャンパーニュです。世紀に発泡性のものが造られるようになってから現代まで、味わいやスタイルが変化してきました。それに合わせて、グラスの形状も変わってきました。

泡用グラスは多種多様

阿部:30年ほど前は、フルート型と呼ばれる細い縦長のものが主流でした。今はその形を基本とした、太めのフルート型も多く使われています。ふくよかな味わいのシャンパーニュなどは、白ワイングラスでサービスする時もありますね。

アンギャル:カクテルグラスに似ている口が広いクープ型は、シャンパーニュの香りや味わいを十分に引き出すグラスとは言えませんが、利点があります。フルートグラスで飲む時ほど顎が上がらないので、飲む姿がエレガントですし、大人数のパーティーではサービスがしやすい。しかし炭酸が強いスパークリングワインの場合、口中で一気に泡が弾け、むせてしまうこともあります。
その後、シャンパーニュはかつての甘口から辛口が主流になってきたことで、食前や食中に登場するようになり、テーブルの上に置いても邪魔にならないすっきりとした形が歓迎されたのだと考えられます。また、フルート型で飲むと自然と顎が上がり、シャンパーニュが細い流れで口の中に流れ込むので、クープ型のようにむせてしまうこともありません。

阿部:フルート型なら場所を取りませんからね。シャンパーニュグラスの歴史は、シャンパーニュのスタイルの変化と連動していたのですね。確かに昔は、今ほど味わいのバリエーションが多くありませんでしたから、グラスも大きく変化させる必要がなかったのかもしれません。時代が下り、ヴィンテージ・シャンパーニュやプレステージ・シャンパーニュなど、より洗練されたものが造られるようになったことで、さまざまな形のグラスが必要になったのですね。

泡の強さや熟成感で選ぶ

アンギャル:阿部さんは、お店ではどんな風にグラスを選んでいますか?

<ヴェリタス> シャンパーニュ

阿部:まず、タイプを考えます。例えば、オールドヴィンテージのシャンパーニュなら、複雑な香りが楽しめる卵形のグラスを選びます。古酒は泡立ちが穏やかなので、時には白ワイン用のグラスを選ぶこともあります。また、熟成したスペインのカバなどを提供する時には、カバらしいふくよかな香りが集まるよう、ボウルが膨らんだグラスにしますね。泡立ちがしっかりしている若いスパークリングワインは、さわやかさや泡の勢いを目でも楽しめるように、フルート型で提供します。

アンギャル:細かく配慮されていますね。「リーデル」がヴィンテージ・シャンパーニュ向けのグラスを開発したのが、1980年代です。そして年代には、多くのシャンパーニュ生産者が「フルート型ではなく、膨らみのある白ワイン用グラスで飲んでほしい」と語り始めました。実際にフルートグラスと白ワイングラスで飲み比べてみると、印象が異なります。

阿部:そうですね。フルートタイプは見た目に美しくすっきりしていますし、泡立ちもきれい。シャンパーニュの魅力を目で楽しませてくれます。ただし、香りが取り難かったり、味わいが単調になったりすることがあります。卵型のようなワイングラスで味わうと、口の中で果実味と酸味がほどよく広がり、余韻も長くなる。シャンパーニュもグラス選びにこだわると、五感が研ぎ澄まされますね。

〈ヴェリタス〉 ロゼ・シャンパーニュ

アンギャル:香りや味わいの個性を際立たせるのが、グラスの役割です。例えば、果実味と果実に由来する渋味が楽しめる複雑なロゼシャンパーニュなら、大ぶりで飲み口が煙突のように上へ突き出たグラスがいいでしょうね。グラスを傾けた時にワインが幅広く多量に口に入ってくるというイメージを持つかもしれませんが、実はこのタイプは、細く直線的に少量のワインが口に入ってきます。味わいは、ピュアな果実味と複雑さがより引き立つ印象です。

阿部:本当ですね。シャンパーニュも、タイプによってグラスを使い分けることで、香りと味わいがさらに深まることをあらためて実感しました。グラスとの組み合わせで味わいや印象がどう変わるか、ワイン愛好家の皆さまにも試していただきたいです。

アンギャル:ぜひ、シャンパーニュの個性に合わせて使い分けてください。シャンパーニュの世界が広がりますよ。

今回の座談で話題になった「ワインとグラスの相性」を体験できる店舗はこちら

青山本店大阪店
ワイン王国
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この記事は2015年8月5日(水)発売「ワイン王国 No.88」に連載されました。
こちらからPDFファイルをダウンロードしていただけます。
ワイン王国 PDF(2.6MB)

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  • ウォルフガング J.アンギャル
  • Wolfgang J. Angyal

リーデル・ジャパン代表取締役社長/リーデル社認定シニア・ワイングラス・エデュケイター


オーストリア生まれ。1985年「技能五輪国際大会」で金メダルを受賞。その後「辻学園日本調理師専門学校」で教授を務める。2000年より現職。グラスとワインの関係を、最初に日本人に認識させた。

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