【ワイナート連載後記】デイリーワインにおすすめ。五一わいん「エコノミー赤」は懐の深いみそ汁ワインです。

【ワイナート連載後記】デイリーワインにおすすめ。五一わいん「エコノミー赤」は懐の深いみそ汁ワインです。2014.03.05 UPDATE

さて今回は、塩尻の 林農園・五一わいん <エコノミー 赤> がテーマです。塩尻といえば「やっぱりメルロでしょう」という声も聞こえそうですが、敢えてこのワインを選ばせて頂きました。我が家のデイリーワインのひとつであるこのワインが、グラスによってどのようにその表情をかえるのか、また作り手はどんなグラスを選ぶのか、実際に現地で作り手の声を聞きたかったからです。

取材史上、アクセスのしやすさNo.1

岩の原葡萄園、エーデルワイン、熊本ワイン、丹波ワインと続いてきた「日本ワインでグラスマッチング」ですが、今回の五一わいんさんが、最もアクセスしやすかったのは印象に残っています。

駅からのびる国道292号線をタクシーで7−8分走ると、もうワイナリーへ到着。

春には満開の桜が出迎えてくれるそうですが、まだまだ春遠い1月の後半で、桜にはまだ早かったようです。

副産物的な一升瓶ワインが意外な人気で、嬉しい悲鳴!?

ワイナリーに到着後、今回の取材をアレンジして頂いた林農園の菊地さんにお話を伺い、その後ワイナリーを見学しました。

最も印象深かったのは、一升瓶ワインの現状と、ブレンドされるプレス汁。

近年、一升瓶ワインを作るワイナリーさんは徐々に減ってきているそうです。ところがそれに反するように、低価格で気軽に飲めるワインバルや立ち飲みワイン酒場が増えてきたこととも重なり、五一わいんの一升瓶ワインの需要は年々高まっているそうです。ただ、この一升瓶ワインは、フラッグシップのワインなどには使えないブドウなどを有効活用するために作られているという側面もあり、一升瓶ワインの需要増加が、単純には喜べないという側面もあるのだそうです。

ブレンドの構成比は時期によっても違う

基本的には マスカット・ベーリーAと若干のコンコードがベースになり、そこに赤ワインのプレスとオリのプレスがブレンドされるそうです。このプレスには、桔梗ケ原メルロも含まれている訳です。

プレスの模様

プレス中のジュース

プレス後のカスを運び出しています

ただ、あくまでも副産物的な商品とのことで、正確なブレンドの内容は時期によって異なります。この辺りは、<エコノミー> らしさと言えるでしょう。

畑では、林社長自らスマート方式を解説

思っていた以上に、数多くのブドウ品種が栽培されていました。

栽培の区分看板ですが、ツバイゲルトレーベ、ピノ・ブランなども栽培されているんですね。

現在五一わいんさんが取り入れているのはスマート方式という仕立てかたです。

簡単に言うと、発芽した新芽を全て北側に伸ばしてゆく方法です。

この方法の問題の一つに、北方向(写真右方向)に枝が伸び続けてしまうと隣の棚にぶつかってしまうということで、五一わいんさんでは、新芽を一度下に回してから北に向かわせることで、この問題を回避しているのだそうです。

以前は、凍害に苦しめられたそうですが、近年の温暖化の影響か非常に栽培がしやすくなったと林社長。

いよいよワークショップです

今回、庄司が意図的に忍ばせたのが <ソムリエ・ブラックタイ> ウォーター(#4100/20)

フォルムが湯のみに近いので、意外に面白いかなと思ったのですが。
ワイングラスに注ぐということで、グラスの選定においては香りの印象もある程度のウエイトを占めたためか、最終的には選ばれませんでした。

林社長 <リーデル・オー> シラーズ/シラー

菊地さん <ソムリエ> ロゼ

最終的に選ばれたのは、シラー系、ピノ・ノワール系、サンジョベーゼ/リースリング系の3種でした。今回も強く感じたのは、良くも悪くも、ワインの印象がグラスに引っ張られるという側面があること。

シラー系グラスでは、プレスのブレンドからくる力強さや、スパイシーさ、果実系の中に感じる黒っぽさがとても良く感じられました。御御区料理と合わせるときなど、このグラスが合いそうです。

ピノ・ノワール・グラスで良かったのは、香りの華やかさですね。赤い果実のボリュームある香りが楽しめます。これはやはり湯のみでは楽しめない要素ですね。舌先に残るジューシーな甘さの中に、プレスワインのグリップ感が後から浮かんできます。

最後のスタンダードなリースリング・グラスですが、こちらは香りも味わいもすっきりとした印象で、さっぱりとこのワインを楽しめます。家では、氷を浮かべて楽しむこともあるこのワインですが、これから気温も上がってくる春から夏にかけてこのワインを飲むならこのグラスかもしれませんね。特にお風呂上がりによく冷やしてこのグラスで飲むのは美味しそうです。

 

デイリーワインに求めたい、懐の深さ

もちろん、日々飲めるということで価格面もとても大切なのですが、僕がデイリーワインに求めたいのは、いろんな場面で飲める懐の深さ。かく言う庄司も、この <エコノミー赤> を、時には氷を浮かべたり、湯のみで飲んだり、また合わせる料理も和洋中、缶詰も含めて、とにかくこちらのやりたいように飲ませてもらっても、あんまり嫌な顔されないので重宝しています。

読者のみなさんも、ご自身にあったデイリーワインを探して、いっそうワインな日々を楽しまれてください(庄司大輔)

 

ワイナート

ワイナート

この記事は2014年3月5日(水)発売「ワイナート 第74号」に掲載されました。
こちらからPDFファイルをダウンロードしていただけます。
ワイナート PDF(348KB)

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  • 庄司 大輔
  • Daisuke Shoji

(社)日本ソムリエ協会公認ソムリエ/リーデル社 ワイングラス・エデュケイター


99年にボルドー地方サンテミリオンの「シャトー・トロットヴィエイユ」で学ぶ。日本人初の「リーデル社 ワイングラス・エデュケイター」 。

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