サラミとサルーミの違いとは? ワインと相性の良い、極上肉ツマミ「サルーミ」の真実

サラミとサルーミの違いとは? ワインと相性の良い、極上肉ツマミ「サルーミ」の真実2017.05.23 UPDATE

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ついつい手が伸びてしまう魅惑の食べ物サラミ。

お菓子とも、おかずともつかない、極上のお酒のツマミです。

しかし、それはあくまでも「サラミ」のこと。

もちろん「サラミ」も美味しいに違いはありませんが、「サルーミ」となると、

さらに魅惑的な、奥深い世界が広がります。

「サラミ」と「サルーミ」

「サラミ」と「サルーミ」は、よく似た言葉のため、「同じもの」などと誤解されがちですが、それぞれ違うモノを指しています。

それらの語源や歴史、そして豊富なバリエーションをひもといてみましょう。

ヨーロッパの食文化に根付いた「サルーミ」

ヨーロッパ食文化の根幹 肉&塩

「サルーミ」(SALUMI)とは、生ハム、ハム、ソーセージ、ベーコン、サラミなどの食肉加工品全般をさすイタリア語。その語源は、肉の保存に塩を用いたことから、「サーレ(塩)」(SALE)に由来するといわれています。

従来、「古代ローマの兵士は、塩で給料が支払われていた。ゆえに、塩をさす『サーレ』が、『サラリー』の語源となり、給料をもらう人のことをサラリーマンという」——などとよくいわれたもの。とはいえ、古代ローマといってもその期間は長大。軍隊の給与も、時代によって貨幣や塩などさまざまなもので支払われていたようですから、必ずしも兵士の給料=塩とは言い切れませんが、塩が必須の食品であり、それを整えるために対価が給付された、ということは間違いありません。

さまざまなサルーミ

塩は、肉の保存には欠かせないアイテムでした。古代から中世、近世と時代が移ってもそれは同じこと。さらにこの間、食文化は洗練され、さまざまな食肉加工品が生み出されていったのです。

ヨーロッパで食肉といえば、最もポピュラーなものは豚肉です。人びとは、食の根幹である塩と豚を用いて、さまざまな味わいをつくり出しました。それらはまさに、味や香りの芸術品といって過言ではありません。

プロシュット(生ハム)

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塩漬けにした豚のもも肉を、ゆっくりと乾燥させたもの。その熟成期間は10ヶ月〜2年にものぼります。地域によって、豚の種類、飼育方法などにも厳密な規定があります。

コッパ・カポコッロ

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首肉を用いた生ハム。塩漬けにする際に、胡椒や香辛料を揉み込むため、独特の風味が生まれます。これを腸詰めにし、コッパはおよそ6ヶ月、カポコッロはおよそ3ヶ月熟成させます。

スペック

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皮や骨、余分な脂肪分を除去したもも肉を用い、塩の他、スパイスやハーブを揉み込み、ひと月ほど馴染ませた後にスモーク。さらに5ヶ月ほど熟成させます。

パンチェッタ

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パンチェッタとは本来「豚のバラ肉」のこと。しかし今では、「塩漬けにした豚のバラ肉」を指す方が一般的な用語です。塩のみならず、スパイスも揉み込まれることもあり、熟成は3ヶ月ほど。健康な豚の脂身は、極上の旨味に昇華します。

モルタデッラ

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豚ひき肉に香辛料や脂身を入れて練り込み、腸詰めにして蒸したもの。薄切り、角切りそれぞれの味わいが魅力です。

サラミ

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いわゆる日本で「サラミ」と呼ばれているもの。ひき肉と細かく切った肉や脂、スパイスなどを混ぜ合わせ、腸詰めにして熟成させます。

サラミ(SALAME)の語源はSALATURA(塩漬け)に由来する、といわれています。

ザンポーネ・コテキーノ

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15世紀、当時教皇領であったエミリア・ロマーニャから他勢力を追い払おうと画策した教皇ユリウス2世が、モデナ県の街ミランドラを包囲した際、住民達が豚の皮や足に塩やスパイスで味付けした肉を詰めて保存したことに由来するサルーミです。ザンポーネは豚足、コテキーノは皮や腸に詰めたものを指します。

クラテッロ

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豚もも肉上部のやわらかいところのみを用い、塩漬けした後、型にはめて洋梨型に成形したもの。熟成には、およそ16ヶ月を要します。

ブレザオラ

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珍しい牛のサルーミで、牛もも肉上部、股関節の先端部分が用いられます。脂身や筋を取り除いた後、香辛料と塩漬。後に塩を洗い、およそ2〜4ヶ月乾燥させ、熟成させます。

これらのサルーミは、EU(欧州連合)によって、DOP(保護原産地呼称、指定された地域内において、加工、製造など伝統的手法に則ってつくられたもののみが対象となる)、IGP(保護地理表示、限定された地域において、生産、製造、加工されたものが対象となる)として、生産者、生産地域が認定、保護されています。

実は白ワインと「ものすごく」相性の良いサルーミ

一般的に「肉には赤ワイン」といわれますが、実はサルーミはマリアージュの万能選手。

ことに、アペリティフの際などには、スパークリングワインや白ワインと絶品の相性を見せてくれます。

リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ヴィオニエ、マスカット、トロンテスなどのアロマティックな品種は、塩を以て香ばしい肉の香りや旨味を封じ込めたプロシュット、コッパ・カポコッロ、パンチェッタ、クラテッロなどと、見事なハーモニーを奏でます。

また、ソーヴィニョン・ブランやピノ・グリージョ、ミュスカデといった、品種特性が明確な白ワインには、繊細で優しい味わいのモルタデッラやスペック、ブレザオラなどを合わせると、ユニークなマリアージュになります。

香り高い白ワインと、バリエーション豊富なサルーミのマリアージュはまさに抜群!難点は「いくらでも飲め、食べられてしまうこと」くらいでしょうか。

サルーミが演出する「白ワインと肉」のマリアージュを、あなたも試してみませんか?

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  • 髙山 宗東
  • muneharutakayama

ワインコラムニスト・歴史家・考証家・有職点前(中世風茶礼)家元


専門は近世史と有職故実。歴史的観点を踏まえてワインのコラムなどを執筆。

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