グラスに触れるのはNG? ワインのスマートな注がれ方

グラスに触れるのはNG? ワインのスマートな注がれ方2017.09.15 UPDATE

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せっかくワインを楽しもうとしても、マナーをよく知らないと周りの様子が気になって集中できなかったりするもの。

今回は、ワインを「注がれる」ときのマナーのおはなしです。

ワインを注がれるときのマナー

日本の飲みの席のマナーでは、目上の人からお酒を注いでもらう際は、ビールのグラスでも、日本酒のお猪口でも、両手で持ち上げて受けるのが常識とされています。

しかし、レストランでワインをいただく場合は、これはNG。グラスを両手で持ち上げて受けることのみならず、目上の人が目下の人にワインを注ぐこともまたNGなのです。

マナーも、TPOによって変化する

ソムリエさんのいるレストランでは
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ソムリエさんがいるレストランでは、お客様が最高の状態でワインを楽しむことができるように、ソムリエさんが全力でサービスしてくれている——ということが、前提となっています。

したがって、お客が勝手にワインを注ぐという行為は、マリアージュや料理の進行をみはかり、グラス、温度、ワインの残り具合など、すべてを念頭にサービスしてくれているソムリエさんの邪魔をすることになってしまうのです。

また、できるソムリエさんは、お客様が「ワインを注いで欲しいな……」と思う寸前に、スッとグラスに補充してくれるもの。してみると、お客が勝手に注ぐということは、暗黙のうちに「サービスが悪い」という嫌味にもなりかねません。

注がれる側も同じこと。グラスや食器、カトラリーの位置は、お客様が使いやすく、スマートなサービスできる最適の場所に配置されています。したがってワインをサービスしてもらう際は、グラスは定位置に置いたままにしておくことがマナーなのです。

ソムリエさんのいない飲食店では

上記は、ソムリエさんのいるような高級レストランでのマナーです。

ソムリエさんがいないビストロなどでは、ボトルやカラフのワインはお客様まかせにしているケースがしばしば。

こうした場合は、男女の際は男性が、同性同士の際は気づいた人が注ぐ——ということでよいでしょう。この際も、飲食店では、注がれる側はグラスを持ち上げない方が無難でしょう。

一応、レストランに準ずる「公の場」ということもありますが、実は「注がれる時」は、とてもグラスを破損しやすいのです。

日本酒の場合も、陶器のぐい飲みで受ける際は、縁の向こう側まで人差し指をまわして、人差し指の背に徳利の首を置くようにします。徳利の口がぐい飲みの縁に「カチッ」と直接ふれないようにするわけです。

ワインの場合も、注ぐ側がボトルを持ち、注がれる側もグラスを持ってしまうと、双方が不安定になってしまいます。せめてグラスは安定した状態で受ける、というのが実はとても合理的な対応なのです。

家族や友人たちとの食卓では

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こうしてみると、マナーの根底には合理性がある、ということが解ります。

時と場合を見はからって、その時々のTPOにしたがって対応すれば、恥ずかしいことはありません。

したがって、家族とワインを飲む場合、磯野波平さんのようなクラシカルな「日本のお父さん」がワインを注いでくれようとしたならば、日本流にグラスを持って両手で受ける、ということもアリ——なのです。

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  • 髙山 宗東
  • muneharutakayama

ワインコラムニスト・歴史家・考証家・有職点前(中世風茶礼)家元


専門は近世史と有職故実。歴史的観点を踏まえてワインのコラムなどを執筆。

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