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2017/06/21

Column

料理の隠し味に最適! 余ったワインの活用法

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「いちど開けてしまったら、飲みきらなければいけないの?」

そんな疑問を解消するワインの取り扱いと、余ってしまったワインの活用方法をご紹介します。

ワインは酸化する

ワインは、抜栓すると空気とふれあい、酸化がはじまります。酸化が進むと、ワインは劣化してしまう——もちろんそれも事実ではありますが、「昨日開けたワインは、今日はもう飲めない」というほど神経質になる必要もありません。

余ったワイン取り扱い説明書

ワインはいつまで飲めるのか?

ボトルを開けると、ワインはグラスの中でさまざまな表情を見せてくれます。

空気と触れ合うことで酸化が進み、味や香りが変化してゆくのです。この変化は、絶頂をむかえた後には、徐々に凋落していきます。

その絶頂をむかえるまでの時間は、ワインによってさまざま。2時間ほどでフレッシュさが失われてしまう白ワインもあれば、たとえば古典的に造られたバローロのように、抜栓後2日に飲み頃をむかえる、という赤ワインもあります。

シャンパーニュにとって、泡は命。したがって、「泡の抜けたシャンパーニュはもう飲めない」などと言われることもありますが、ある種のシャンパーニュは、泡が抜けても魅力を失いません。秀逸なテロワールで育まれた優秀なぶどうから造られたシャンパーニュの中には、泡が抜けても白ワインとして、充分な風格をたたえ続けるアイテムもあるのです。

あまり神経質にならずに、「今日はどうなっているかな?」と、開けたワインに何日かつき合ってみるのも、面白いかもしれません。きっと、思いのほか寿命が長いことに気づくことでしょう。

お洒落なワインカクテルに

「翌日のワイン」の活用法のひとつに、ワインカクテルがあります。

少し甘めの白ワインに、ペリエのような天然発泡炭酸水を加えると、軽やかで、したたかな飲み物になります。天然発泡炭酸水のミネラルが、ワインに奥ゆきをあたえるのでしょう。

オレンジやカシスのジュースを加えるのもおすすめ。この時、シナモンやクローブなどの香辛料を加えると、ぐっと味わいに深みが出ます。

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これを温めて、グリューワインを作っても楽しめます。「ためしに、こんなハーブを入れてみよう」とか「温めたら、どんな味わいになるのかな?」などと、実験的なことができるのも、「翌日のワイン」の気安さです。

ちょっとした気遣いでワインの寿命は長持ちする

ちょっとした気遣いをするだけで、ワインの寿命は驚くほどのびます。常温で放っておかずに冷蔵庫に入れるだけでも、ワインの寿命は全く異なります。

意外に気づかないのが栓への配慮。いちど開けたワインの栓として、抜いたコルクを再利用することがあるかと思いますが、コルクの上部にはカビや菌などが付着していることがあるため、市販されているワインボトル用の栓に変えるだけでも、劣化のリスクはかなり回避できるのです。専用の栓が無い場合は、ボトルの口をラップで覆い、輪ゴムでとめるだけでも充分です。

余ったワインで「究極のマリアージュ」を

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生牡蠣を食べる際、よく冷やした白ワインでしゃぶしゃぶすると、素晴らしい味わいになります。まるでレモンを絞ったかのように、ワインの酸が牡蠣の味わいを引き締めてくれるのです。さすがに開けたてのワインでは勿体ない感じがしますが、余ったワインなら惜しみなく使うことができるでしょう。

また、ワインと料理をマリアージュさせる際、とても簡単にできるコツがあります。たとえば、ポン酢の中に、白を飲むなら白ワインを、赤を飲むなら赤ワインを、ほんの少量入れること。すると、たちまち相性が良くなってしまうのです。これは、お刺身のつけ醤油でも、焼き魚に添える大根おろしでも、餃子のたれでも、豚の生姜焼の味付けでも、煮物でも……ほとんど万能に使える、まさに「隠し味」。

抜群の相性についお酒がすすみ、もう一本開けたくなってしまうかもしれませんが——

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  • 髙山 宗東muneharutakayama
  • ワインコラムニスト・歴史家・考証家・有職点前(中世風茶礼)家元

専門は近世史と有職故実。歴史的観点を踏まえてワインのコラムなどを執筆。
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