ワイングラスの名門ブランド - RIEDEL(リーデル)
TOP > ENJOY WINE > Column > 立食パーティーにおける、知っておきたいワインマナー

2017/07/03

Column

立食パーティーにおける、知っておきたいワインマナー

buffet_party

歓迎会や懇親会などが、立食の形式でおこなわれることもしばしば。

そんな時に知っておきたいワインマナーについて、ご紹介いたします。

立食パーティーの基本マナー

まず、念頭におくべきは、なぜ立食というスタイルでパーティーが開かれたのか?ということ。パーティーの主催者の気持ちを考えると、おのずとマナーも見えてきます。

着席という形式にしなかったのは、参加した人びとに多彩な交流の場を提供したかったから。

したがって、「仲間同士でかたまらない」「主催者や人気者を独占しない」「名刺は多めに持っていく」「社交的にふるまう」などの配慮が、基本となります。

立食パーティーにおけるワイン

buffet_party2

飲み物の選びかた

たとえばヨーロッパの画廊では、伝統的にオープニングパーティーの際には白ワインが振る舞われます。これは、万が一にも壁の絵に飲み物がかかってしまった際、赤ワインより白ワインならば被害が少ないから。もちろん、白ワインであっても、かけがえの無い芸術作品にかかってしまったら致命的には違いありませんが、むしろ参加者に注意をうながす作用として、効果的なのでしょう。

通常、立食形式のパーティーには、ソフトドリンクからアルコール類までさまざまな飲み物が用意されています。くれぐれも、飲み過ぎに注意しながら、お酒を選びましょう。

グラスの選びかた

buffet_party3

スパークリングワインは縦長のフルートグラスや平らなクープ型、白ワインは小振りなワイングラス、赤ワインは大きめなワイングラスという具合に、ワインの種類によってグラスが変えられている場合は、主催者からの「ワインの種類に合ったグラスでお飲みください」というサイン。したがって、白ワインから赤ワインに変える際には、グラスも替えてもらいましょう。

パーティーによっては、入り口のところでグラスを渡されるケースも。この場合は、「グラスは各自おひとつでお願いします」というサインなので、飲み物を変える際には、グラス3分の1ほどまでお冷やを注ぎ、軽くスワリングして洗います。通常、パーティーや会食の際にスワリングすることはマナー違反ではありますが、この場合は主催者側から「グラスは各自ひとつ」のサインが出ているので、よしとします。

ワインの選びかた

立食パーティーにおけるメインは、あくまでも会話や交流。少量のお酒は、そうしたコミュニケ—ションにたいへん効果的です。しかし、飲み過ぎや、酔い過ぎは禁物。自分の体質などを考慮して、まずは酔いにくい、得意なお酒を選びましょう。

「普通のワインよりも、有機的な造りのワインが酔いにくい」などといわれますが、パーティーで提供されているワインに「ビオワインですか?」などと質問するのは、場合によっては失礼にあたることもありますので、気をつけたいところです。もちろん、提供されているワインの情報は、パーティーにおける会話の糸口でもありますから、「絶対に訊いてはいけない」ということではありません。このあたりの空気を読むことが、パーティーを楽しむポイントといえるでしょう。

また一般論として、赤ワインと白ワインであれば、比較的赤の方が酔いやすいと言われていますが、経験上、白であっても軽めのアイテムや、スパークリングワインなどは口あたりの良さからついつい飲み過ぎてしまいがち。これも、自分の体調をかんがみながら、配慮したいものです。

「粋」に立食パーティーを楽しもう

buffet_party4

私が子供の時分ですから、もう30年も前になるでしょうか。その頃のオジサンには、なかなか小粋な人がおりました。ちょっとした会合——今でいえば立食パーティー的な集まりに出かける前に、お蕎麦屋さんに寄る、というのです。

これは、「もり蕎麦の一枚くらいお腹に入れておくと、悪酔いをしない」と、会合の際にコミュニケーションを潤滑にうながすための配慮なのです。それはまた、会場でエレガントに振舞うための下準備でもあったのでしょう。「だから、本当の江戸前の蕎麦は、お腹が一杯になりすぎないように、蒸籠一枚の盛りが少なくなっているのサ」。

もちろん、パーティー会場で遠慮する必要はまったくありませんが、あくまでも会話や交流をメインとして、ほどよく飲み、ほどよくつまんで、楽しい時を過ごしたいものです。

関連記事
スワリングはダメ?! ワインテイスティングの基本

  • 髙山 宗東muneharutakayama
  • ワインコラムニスト・歴史家・考証家・有職点前(中世風茶礼)家元

専門は近世史と有職故実。歴史的観点を踏まえてワインのコラムなどを執筆。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pinterest
TOPへ戻る