ワイングラスの名門ブランド - RIEDEL(リーデル)
TOP > ENJOY WINE > Column > 白ワインと和食のマリアージュ、ポイントは「食感」と「ミネラル感」!

2015/04/03

Column

白ワインと和食のマリアージュ、ポイントは「食感」と「ミネラル感」!

(c) オーストリアワインマーケティング協会

2013年に、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されて以来、特に和食とワインの相性(マリアージュ)が注目されているように感じますが、和食とワインを一緒に楽しむ機会は普段おありでしょうか。

オーストリアワイン大使(シルバー)でもある藤山は、昨年のオーストリアワイン大使コンテストの二次選考会での、「和食とオーストリアワインの相性について」の口頭試問以来、白ワインを飲むとよくこのテーマを考えます。そこで今回は、白ワインと和食の相性について、特にオーストリアを代表するブドウ品種のグリューナー・フェルトリーナーを軸に、コンテスト後に学んだことを交えて、ご紹介したいと思います。

グリューナー・フェルトリーナーとは?

グリューナー・フェルトリーナー

「グリューナー・フェルトリーナー」。
同じ白ワイン用ブドウ品種のゲヴェルツトラミナーと同様になかなか発音しづらく、覚えられない名前ですが、グリューナーはドイツ語で緑色を意味するので、「緑のワイン」と呼ばれることもあります。リーデルのハンドメイドの<ソムリエ シリーズ>には、「グリューナー・フェルトリーナー」グラスもあり、ステム(脚)も緑色です。

グリューナー・フェルトリーナーは、中世から既にオーストリアに存在したと言われているオーストリア固有のブドウ品種で、第二次世界大戦後の1950年代にオーストリア国内で最も広範に植えられるようになり、2002年の国際テイスティグシリーズで世界の頂点にたち、世界のトップクラスの白ワインに上りつめ、名実ともにオーストリアにおける最も重要なブドウ品種となりました。
オーストリア国内での栽培面積も全体の約30%、ワイン生産地の全域で栽培されており、フルーティーでスパイシーな香り、軽やかで酸が中心のワインから、熟度の高いワインまで、幅広い味わいに仕上がることが特徴です。

白ワインと和食のマリアージュ

前述の口頭試問では、コンテスト前日にタケノコご飯をグリューナー・フェルトリーナーと一緒に食べたこともあり、個人的に大好きなタケノコとグリューナー・フェルトリーナーの相性について話しました。後味に苦味やだしのうま味を、ワインにも食事にも感じ、組み合わせは本当によく合うな、と思ったからです。
いつか白ワインと和食のマリアージュを検証したいと思い続けていたところ、オーストリアワインの生産者が来日した今年2月に、オーストリアワイン大使の仲間二人が、見事なオーストリアワインと和食の饗宴を催してくれました。

『寿司と江戸野菜 銀座壮石』のオーナーである岡田大使のお店で、今回来日したマラートとヒルシュの輸入元(エステートワインズ)の岩井大使がコラボし、両大使が全ての料理の一品一品に、どのワインのどのヴィンテージが合うか追究した結果を示してくれました。
炊合せのタケノコや京人参、蓮根、菜の花、車海老のひとつひとつにグリューナー・フェルトリーナー2種、リースリング1種の異なる3種類のワインのマッチングの提案があり、その通りにワインと食材をあわせてみるとピッタリで、試しに変えて食すと、やはりベストマッチではなく、キャリアを積み重ねたプロの熱意と実力を感じました。

前述のタケノコを例にとると、ヒルシュの「グリューナー・フェルトリーナー ハイリゲンシュタイン 2013」というワインを勧められましたが、ハイリゲンシュタインという火山性の土壌に砂漠砂岩が混じるテロワールの底土にある原生岩と軽いレス、この土壌特有の口に広がるミネラル感と余韻に残る深さのあるミネラル感が、煮た竹の子の柔らかな歯応えと、初物らしい苦味(良いえぐ味)がマッチする、とのこと。難しく聞こえるかもしれませんが、食材の食感とワインのもつミネラル感がマッチする、ことがポイントのようです。

和食とオーストリアワインの相性については、オーストリアワインマーケティング協会も勧めており、3月にワイン大使とメディアに向けて、「グリューナー・フェルトリーナー」の垂直テイスティング(※)と、その後の和食のおつまみとオーストリアワインのフリーテイスティング(60アイテム以上)が開催されました。

(c) オーストリアワインマーケティング協会

「ワイン大使コンテスト」を実施しているのは日本のみ。
オーストリアワインが日本人や日本の食文化に受け入れられる、という見込みが高いからでしょうか。個人的には、旬を大事にする日本人の食への嗜好と、もともと若飲みタイプでフレッシュな味わいのワインが多いオーストリアワインは、どこかで響き合うところがあるのではないかと思います。
実際、ワインを飲みなれない方たちにオーストリアワインをすすめると、「ワインの印象が変わった」「飲みやすい」等の嬉しいお声をよく聞きます。僭越ながら、シルバー大使の藤山もオーストリアワインの魅力を今後もご紹介していきたいと思いますので、どうぞよろしくお付き合いください。

また、オーストリアワイン大使は個々の活動から大使有志によるイベント開催など、積極的にオーストリアワインの普及活動を行っていますので、ご興味のある方は大使有志によるFacebookページ「あれこれオーストリアワイン」をぜひご覧ください。

https://www.facebook.com/AdWeinAustria

※同一ワイナリーの、3つのヴィンテージのワインをテイスティング。オーストリアを代表するブリュンデルマイヤー等、3つのワイナリーの計9種類のワインを使用。

  • 藤山 恵水fujiyama
  • オーストリアワイン大使 シルバー、JSA認定 ワインアドバイザー、C.P.A. 認定 チーズプロフェッショナル

ニュージーランドに旅行で訪れた際にワインのおいしさに目覚め、ニュージーランドワインのファンとなる。 2008年にワーキングホリデービザを取得してニュージーランドに渡航。憧れだったワイヘキ島のワイナリーで収穫作業を経験し、その後ニュージーランドの学校でワインマーケティングについて学ぶ。イタリアワインやノンアルコールワインのインポーターを経て、現在リーデルでワインとグラスの普及に携わっている。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pinterest
TOPへ戻る