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2019/10/17

How to

【リーデル わいん部_011】スムーズにワインが回る、スワリングの3つのコツ

ワイングラスの中で、ワインを優雅に躍らせるスワリング。テーブルの上で、小さく円を描くようにグラスを滑らせるスワリングはどなたにもやり易い方法です。ところが「グラスを持って行うスワリングでは、なかなかスムーズにワインが回らないんです」というご質問をいただくことも、少なくありません。

今回は、このスワリングを上手に、そして美しく行うための3つのポイントをご紹介します。

1)指でつまむのではなく、手のひらで包み込むように!
2)大切なのは最初のひと回し! ヒッチを入れると回しやすい!
3)脇をしめて!

 

1)指でつまむのではなく、手のひらで包み込むように!

まず最初のポイントは、スワリングをするときのワイングラスの持ち方です。

写真のように、ステム(脚)部だけを指でつまむように持つと、台座部がふらついてしまうので、スワリングしにくくなります。

大切なのは、ボウル内部のワインに遠心力を与えるために、その土台になる台座部をしっかりと固定するように持つこと。下の写真のように、台座のふちの部分を手のひらにつけ、しっかりと固定しながら、ステム下部に指を添えます。

この持ち方で、ボウル部に効率よく遠心力を加えられるようになります。

2)大切なのは最初のひと回し! ヒッチを入れると回しやすい!

ワイングラスは卵型ですので、ワインが飛び出てしまうことは滅多にありません。最初は自信をもって、少し勢いをつけて回しましょう。

この時、野球のバッティングで言う所の「ヒッチ」という動作を入れます。

例えば、トンカチで釘を打つときには、一旦トンカチを上に引き上げてから打ちおろします。あの「トンカチを一旦引き上げる」のが「ヒッチ」です(手首を、親指側にクイッと持ち上げるのが「コック」だそうです)。

しっかりとホールドした台座部を支点に、ワイングラスのボウル部をいったん自分側に少し引き寄せ(傾け)てから、ボウル内壁の向こう側、自分とは反対側の内壁にワインを放り出すように、少し勢いをつけて回してみてください。その最初の勢いでワインが回り始めたら、もう大丈夫。

あとは、ワインがボウルの中で回り続けるように、タイミングよくワインの背中をほんのちょっと押し続けてあげるだけです。

3)脇をしめて!

せっかく最初のひと回しでワインが回り始めても、スムーズに回り続けない、という場合には、「ワイングラス全体を回してしまっている」のかもしれません。

スワリングは「腕(全体)でワイングラスを回す」のではなく「手首でワイングラスを揺らす」という感覚です。そのために、意識していただくと良いのが「脇を締める」こと。

スワリングの時に動くのは「手首から上だけ」。脇をしめて、手首を小刻みに動かす感覚です。

 

いかがでしょうか?

スワリングがスムーズに回らない、という方は、参考にしてみてください。

 

ワインを飲む時には「スワリングしなければならない」というわけでは決してありません。また「スワリングの目的」にも、一般的にはあまり語られない部分も隠されています。この点については、次回【リーデル わいん部_012】「シャンパーニュのためのソフト・スワリング(仮題)」で詳しくご説明したいと思います。

朝晩の涼しい風に、秋の気配を感じるようになりました。赤ワインが恋しくなる季節ですね。
これからも、ジャストフィットなグラスで、たくさんのワインを、で楽しんでください。

庄司

  • 庄司 大輔Daisuke Shoji
  • (社)日本ソムリエ協会公認ソムリエ/リーデル社 ワイングラス・エデュケイター

1971年神奈川県生まれ。明治大学文学部文学科卒業、専攻は演劇学。 塾講師、レストラン勤務などを経て、1998年(社)日本ソムリエ協会公認ソムリエ呼称資格取得。1999年にボルドー地方サンテミリオンの「シャトー・トロットヴィエイユ」で学ぶ。2001年リーデル・ジャパン入社、日本人初の「リーデル社グラス・エデュケイター」となる。リーデルグラスとワインの深いつながりやその機能を、グラス・テイスティングを通して広く伝えるため、文字通り東奔西走している。
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