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2014/06/30

Column

オーストリアワイン大使選抜コンテストに参加して

©オーストリアワインマーケティング協会

『第三回オーストリアワイン大使選抜コンテスト』に挑戦した藤山です。今回は大使になれず、オーストリアへのワイン研修旅行の夢は潰えましたが、シルバー賞をいただきました(賞品としてリーデルのワイングラスをいただきました)。
今回は、このコンテスト挑戦の一部始終をご紹介したいと思います。

オーストリアワイン大使とは?

©オーストリアワインマーケティング協会

オーストリアワインマーケティング協会(AWMB)とオーストリア大使館商務部が公募した、「オーストリアワイン大使選抜コンテスト」は今回が三回目で、これまで各回10名、計20名が大使に選出されています。
各大使は、オーストリアワインの素晴らしさをワイン業界内外に広く伝えるため、オーストリアワイン関連のイベント開催や講師など、幅広くご活躍されています。このコンテスト対策で過去の大会で大使になられた方たちに私も大変お世話になりました。

オーストリアワインにはまったきっかけ

小学1年生のときに映画『サウンド・オブ・ミュージック』を見て以来、オーストリアの豊かな自然と歴史ある街並みに感銘を受け、オーストリアという国に憧れを抱き続けてきました。

ニュージーランドにワイン留学する直前に、オーストリアを旅し、ウィーン滞在中にホイリゲ(酒場)に行きました。
ウィーンでワインを造っていたことも驚きでしたが、初めて飲んだグリューナー・フェルトリーナーやシュトラムというにごり酒のような初期段階のワインはとてもフレッシュで美味しかったです。その夜はカジュアルにワインを楽しむ文化に触れ、心地よくワインの杯がすすみました。

それから5年。昨年11月11日のホイリゲ(新酒)の解禁日にツァ―ヘルというウィーンのワイナリーの新酒を飲み、その爽やかな飲み口にビビッときました。これまでたくさんのワインを飲んできましたが、久々にパルピテーション(ときめき)を感じました。
「もっともっとオーストリアワインについて知りたい、好きになったワインのために頑張りたい!」。この日、本気でオーストリアワイン大使のコンテストへの挑戦を決意しました。

オーストリアワイン大使へのチャレンジ

©オーストリアワインマーケティング協会

一次選考のレポート課題と、最終選考のブラインド・テイスティング及び口頭試問の2回の選考によってオーストリアワイン大使は選ばれます。

一次選考の課題は下記の3つでした。

  • 1. 世界の中のオーストリアワインについて
  • 2. 日本でのオーストリアワインについて(PR、マーケティング担当という立場と仮定し、具体的な提案を作成)
  • 3. 自身の立場での具体的例について(①ワインの教育分野関係者の場合は、オーストリアワインのテキスト見本作成 ②①以外の業務関係者は、オーストリアワインを販売する上での具体的な商品構成(リスト作成)と理由を論述)

ニュージーランドの国立専門学校で「ワイン・マーケティング コース」を一年間履修したので、こういった課題にはわりと慣れていたのですが、短期間でオーストリアワインについて勉強し、レポートを書くのは大変で、年末年始や週末、往復の通勤時間や昼休み等の限られた時間を最大限に利用してレポートを書き、なんとか期限内に提出することができました。
弊社Facebookで実施したオーストリアワインについてのアンケート調査では、オーストリアワインの知名度は低いものの、知っている人からの評価は高かったので、もっと日本に広めたい、とやる気に火がつきました。アンケートにご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。

最終選考会

©オーストリアワインマーケティング協会

一次選考突破の連絡を大使館の方からいただいたときは本当にうれしくて感激しました。
久々に心地よい達成感を得たのですが、最終選考の内容を知るうちに腰が引けてきました。
オーストリアワインを飲み始めて日も浅く、到底ブラインド・テイスティングで品種や産地、ヴィンテージを当てられる自信はありませんでした。時間も予算も限られており、悲観的になったこともありましたが、ここまで来たからにはできる限りの努力をしよう、と開き直りがんばりました。

周囲を巻き込んで飲み続けるうちに、ひとつ発見が!コルクでもスクリューキャップでもない、ガラス栓のワインボトルに出会いました。
第一回オーストリアワイン大使の田中浩史様のお店『プロヴィナージュ』でワインをいただいたときに、これがヴィノ・ロックという栓でオーストリアワインには多い、と教えていただきました。見た目にもとても美しく、スクリューキャップよりも高級感があり、とても素敵なのです。

そして迎えた最終選考会。ブラインド・テイスティングは例年通り6種類のワインが出てきたのですが、今年は赤と白がそれぞれ3種類。オーストリアといえば白ワインが有名で、前回は白が5種類、赤は1種類だけ出題されましたが、今年は半分が赤ワインとなりました。どの赤ワインもポテンシャルの高いものばかりで、オーストリアはこれから赤ワインにも力を入れていく、という姿勢を感じました。

口頭試問は「オーストリアのワイン生産地のある世界遺産」と「オーストリアワインと和食との相性について」。幅広くオーストリアの文化を問う内容となっており、ワインを理解し伝えるということは、幅広く文化を理解し伝えることでもあると、その奥深さを改めて考えさせられました。

オーストリアワインを愛する方たちとの出会い

©オーストリアワインマーケティング協会

結果はシルバー賞でしたが、今回このコンテストに挑戦できて、本当に良かったです。今回のコンテストを通じて色々な方と知り合い、お話しを伺い、たくさんの刺激を受けました。特に私にとって印象的だったのは、このコンテストに挑戦する以前から、本やセミナーで刺激を受けていた方たちが、審査員をつとめられたことです。

日本ソムリエ協会の元会長の熱田貴様の著書『真実はワインの中に―熱田貴のワイン航海日誌』(飛鳥出版)は、熱田様がフランスに行く前に立ち寄ったオーストリアに、思いがけず長く逗留されたことなど、変化を恐れない生き方に感銘を受け、転職を決意することができました。

唯一女性の審査員だった岩城ゆかり様は、10年くらいまえにニュージーランドワインのセミナーに参加した際、講師をされていました。実はそのときにリーデルのグラスを初めて知り、ワインをもっと知りたいと強烈に思ったのです。

このお二人も含めた審査員の皆さま、そしてレセプションに参加されていた皆さま、の笑顔もとても印象に残りました。「好きこそ物の上手なれ」というのは本当ですね。レセプションには来日中のワイン生産者も含め、たくさんのワイン関係者がいらっしゃっていましたが、みなさん心からワインを愛し、ご自身のお仕事に誇りと愛着を持たれているのだな、と感じました。オーストリアワインを支える“人”も、オーストリアワインの魅力の一つといえるでしょう。

©オーストリアワインマーケティング協会

私もシルバー賞なりにこれからもオーストリアワインについて勉強をつづけ、美味しいオーストリアワインの魅力を発信していきたいと思います。
そしてタイミングがあったら、また3年後に再びオーストリアワイン大使を目指し、オーストリアへのワイン研修旅行の夢を果たしたいと思います。

  • 藤山 恵水fujiyama
  • オーストリアワイン大使 シルバー、JSA認定 ワインアドバイザー、C.P.A. 認定 チーズプロフェッショナル

ニュージーランドに旅行で訪れた際にワインのおいしさに目覚め、ニュージーランドワインのファンとなる。 2008年にワーキングホリデービザを取得してニュージーランドに渡航。憧れだったワイヘキ島のワイナリーで収穫作業を経験し、その後ニュージーランドの学校でワインマーケティングについて学ぶ。イタリアワインやノンアルコールワインのインポーターを経て、現在リーデルでワインとグラスの普及に携わっている。
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