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2017/12/21

Column

1〜2月が狙い目!コスパの高いワイン会企画術

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前回まで予約→入店→着席→ご注文と、流れに沿っての話をしてまいりましたが、「脱サラソムリエが本音で語るレストラン利用術」の12回となる今回は、ちょっとコーヒーブレイク的にワイン会あるいは宴会のアレンジについてご紹介したいと思います。

具体的には、ある程度の人数を集めてテーマのある食事会を企画し、予算も事前に定めて、レストランと協議の上、ワインと食事を構成するものです。

今まで、ビストロアンバロンで実施したものを例にあげれば
1. 6リットルボトル(ワイン8本分)とマガモを食べる会(10名様)
2. マグナムボトルの会(8名様)
3. コートデュローヌのワインを楽しむ会(6名様)
などがあります。

もう少し、具体的にご説明したほうが、イメージがつかみやすいと思いますので、説明を掘り下げてみます。

1. 6リットルボトル(ワイン8本分)とマガモを食べる会(10名様)

大きなボトルのワインは普通のワインとは異なり、余韻が長く、独特な味わいがあります。さらに6リットルボトルともなると重力の関係で、口元のワインは薄く、底のワインが濃いという同じボトルの中でも味わいの違いが生まれます。事前に4本のデキャンターに移し替えて、最初に上と下、次に真ん中を飲む、という形で異なる味わいの比較をお楽しみ頂きました。時期が冬でしたので、ジビエのマガモをその日をターゲットとして熟成させ、チョコレートを効かせた濃厚なソースでお楽しみ頂きました。ちなみに、この日のワインの構成は、最初にマグナム(2本分サイズ)の熟成したシャンパーニュ、締めはロワールの3大貴腐ワインのひとつ、コトードレイヨン1本でした。

2. マグナムボトルの会(8名様)

これは、常連様が時々実施しているもので、お食事は4000円お任せ宴会コースをご用意し、4本のマグナムワイン(2本分/1500ml)は私の方がご用意しています。 泡・白・赤・赤、あるいは泡・白・白・赤というパターンで実施してきました。白と泡は大型ボトルの特性上、十分前に冷やしておく必要があるので選択肢は限られてきますが、赤に関してはお客さまと相談しながら、その場で選んで頂きました。シャンパーニュとアルザスの白赤、ロワールとローヌの組み合わせなど、その日に私が選んだ緩いテーマでお楽しみ頂きました。お客様にとってはお任せのサプライズ的な楽しみと、ある程度の選択の自由が楽しさの一つのようです。(この会においては、価格は食事だけ事前決定で、ワインについては、その場で相談しながら選定しました)

3. コートデュローヌのワインを楽しむ会(6名様)

こちらは、一種の変態ワインの会ですが、日頃あまり飲まない地域のワインから色々と6種類を召し上がって頂く企画でした。この時は、1本マグナムワインを入れましたが、2002年の南ローヌは最悪の年といわれている年で、この1本については、お客さまから替えてほしいとのリクエストを頂きました。私自身は、このボトルを開けたことはなかったのですが、有名生産者が、長期熟成に向いているマグナムボトルを用意し、しかも、畑名を付けた形で瓶詰している以上、その品質に自信のもっている証拠であり、大丈夫なはず、とお伝えし、結果的にそのままの選定で実施しました。そのボトルを抜栓したところ、お客様がかつて経験したことのない素晴らしい味わいに大成功のワイン会となりました。

どこのレストランでも出来るものではありませんが、準備のための時間、予算、相応の人数で臨めば、多くのレストランは対応して下さると思います。通常の営業とは違うことをお願いするわけですから、その分、そのお店の平均単価よりも高めの価格設定で実施する必要がありますが、うちも含めて、お店はそれなりにがんばってくれますので、結果的にコストパフォーマンスが高い企画になることが多いです。

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企画の魅力としては
1. 大人数ならではの色々な種類のワインが楽しめる。
2. 自分で選ぶのとは違った、普段飲まないワインを楽しめる。
3. リストされていないワインなど、お店秘蔵のワインと出会える可能性がある。

お店の側に立てば
1. 大人数の予約はスペース効率が良い。
2. 料理もワインも事前に決まっていれば、準備がしやすい。
3. それなりの金額を頂ける場合には、値引き、秘蔵ワインの拠出等のサービスがしやすい。

ということで、結果的には、レストランとお客様にとってWin-Winのビジネスが出来る、楽しい企画となると思います。

アンバロンでも時々実施していますが、私自身はお客として色々な企画を立ててお店と相談の上、実施してきました。なお、本当に面白い企画を実施するのは、お店にとっての繁忙期ではなく、暇な1〜2月がお勧めです。良いことが色々ある可能性が高いです。

「脱サラソムリエが本音で語るレストラン利用術」の過去記事はこちら
第11回 初めてのレストランで失敗しないためのメニュー選択
第10回 お店とWin-Winの関係を構築できるVIP 客になるために
第9回 ドリンクの値段を聞くのは野暮なこと?

ビストロ アンバロン(BISTRO EN BALLON)

〒106-0031
東京都港区西麻布1-9-7

TEL:03-6438-9699
http://bistroenballon.com/

  • 両角 太郎bistroenballon
  • ビストロアンバロン オーナー

金融業界21年間のサラリーマン時代の食べ手としての経験を生かし、「自分が最も通いたい店」として2009年12月にビストロアンバロンを開店。ミシュランガイド「ボンヌ・プティット・ターブル」にて赤フォークとビブマークの両方の評価を得ている西麻布のフレンチビストロ。
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