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2017/04/24

Restaurant

ご存知でしたか? レストランのキャンセルマナー

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前回は、予約の際の席のリクエストについて書きましたが、今回は予約のキャンセルについて書きたいと思います。

先日Facebookを拝見していた時に、ある著名な美食家が

「前日にキャンセル出来るのは通夜だけだと教育されましたし、そのときも代打が鉄則。その上で、1ヶ月以内にあらためてうかがうのが当たり前です。」

と書かれていたのに衝撃を受けました。

「脱サラソムリエが本音で語るレストラン利用術」の5回となる今回は、「飲食店におけるキャンセル」について考えてみたいと思います。

「レストラン利用術」というタイトルの目指すところは、「上客になって、お店から沢山のサービスを引き出すノウハウ」とも言えるのですが、上記美食家の一言には正直恐れ入りました。そこまでの姿勢で臨んでいらっしゃれば、必ずやその気持ちはお店に伝わります。

でも、正直食べ手としての私自身は、そこまでは出来ていないと思います。食べ手であり、飲食店経営者である私自身はどうかと申しますと、キャンセルはしたことはありますし、今後もやむを得ない事情ですることはあると思います。

そこで少しケーススタディーをしてみたいと思います。レストラン経営者の本音をちょっと吐露させてください。

(ケース1)2人での食事の予定の時に、相手が急に体調を崩して参加できなくなった

私自身は、通常であればまず代打を探して何とか帳尻を合わそうとします。そして見つからなかった場合には、お店に電話して一人でもいいか?と聞いたうえで、一人で出かけるでしょう。これは、たぶんに食べる気満々の自分の食欲を満たすためでもありますし、私自身はなじみのお店には一人でも行ってしまいますし、一人ご飯も苦にならないタイプですから可能なのですが。ただ、これが妻との記念日の食事で、妻が病気で倒れた場合、代打の立てようもないので、お店には申し訳ないですが事情を話してキャンセルすると思います。

経営者の視点でみれば、キャンセル、特に当日キャンセルするというのは、その日の予定していた売上がゼロになることであり、人数に関わらず非常に痛いです。しかも予約が込み合う日で、お断りしているケースがあった場合にはなおのことです。でも、自分だったとしてもキャンセルするだろうと思われるケースの場合には仕方ないと思いますし、次回のご来店の際に頑張ってサービスに努めたいと考えます。

(ケース2)6人でのお誕生日会、送別会で主賓の都合が悪くなったケース

お客様の立場から考えると、主賓がいない以上開催する必然性がないわけで、キャンセルは当然のケースだと思います。しかしながら、お店の側からするとそのグループのための席を確保し、さらに特別メニューを用意していた場合には食材の手配もしているおり、結構痛いものです。

ビストロアンバロンの場合、常連様が多いこと、さらには常連様の場合、問題の発生するキャンセルが起きることはないので、キャンセルポリシーについてご説明することはないのですが、食事をコースでご予約された場合、初めてご来店のお客様や、貸切のお客様に対しては、以下のキャンセルポリシーをご説明しております。

キャンセル料 当日100%、前日50%、前々日、3日前30%

過去6年間でイベントのキャンセルはありましたが、常連様、一見さん含めて、一度もキャンセル料が発生するケースはなく、人数変更も早めにご連絡を頂くことが多く、その場合にはキャンセル料は頂かない、という方針で臨んでまいりました。

ただ、時々あるケースでレストラン経営者としてどうかなと思うのが、予約の3日前に主賓が体調を崩したからキャンセルというケースです。当日の体調不良は理解できるのですが、3日前というのが微妙で、しかもそういうグループに限って席の予約のみで食事の予約はしません。8人くらいの人数ですと、他のお客さまのご予約に対する影響もありますし、当然、仕入れに対するインパクトもあります。たいていは一見さんか、そうでなくても、常連様ではないお客様からのご予約です。実態としては、複数の店を押さえておいて、直前に決めるという行動の結果だと思うのですが、この手のパターンは最近増えているようです。折角6人が日程調整をしてレストランまで予約したのですから、主賓が不在でも5人でお食事を楽しめばいいのに!というのがレストラン側の本音ですが、ここはお客様と気持ちが共有できないところでしょうね。(笑)

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「席の予約」という意味では、コンサートのチケットが似ていると思います。コンサートの場合、事前にチケット代金を支払うため、欠席しても払戻が起きないため、参加者は無理をしてでも聴きに行くでしょう。一方で、席が限られており、お客様のために料理、飲み物をご用意しているという意味では、「レストランの席を予約する」という行為は、「コンサートのチケットを購入する」ということと同義にとらえても良いはずですが、現実にはそうは見られていませんね。

レストランにおけるお客様とお店の関係は、結局のところ人と人との繋がりであり、お互いの愛が相互にとっての良い関係を築いていくのだと思います。お店を経営するようになって、ついつい訪問したお店のことを考えながら食事をする癖がついてしまいました。でも、サービスマンとしてはお客様が何も考えずに気楽に食事とワイン、そしてお連れ様との会話を楽しめる空間を作れるように、少しでもお役に立てたらいいなと思っております。

「脱サラソムリエが本音で語るレストラン利用術」の過去記事はこちら
第4回 レストランで希望に沿った席を予約するたった一つの方法
第3回 レストラン利用術「スマートなレストランの入り方」
第2回 レストランで快適な席を用意してもらうための電話予約4つのポイント
第1回 【新連載】脱サラソムリエが本音で語るレストラン利用術

ビストロ アンバロン(BISTRO EN BALLON)

〒106-0031
東京都港区西麻布1-9-7

TEL:03-6438-9699
http://bistroenballon.com/

  • 両角 太郎bistroenballon
  • ビストロアンバロン オーナー

金融業界21年間のサラリーマン時代の食べ手としての経験を生かし、「自分が最も通いたい店」として2009年12月にビストロアンバロンを開店。ミシュランガイド「ボンヌ・プティット・ターブル」にて赤フォークとビブマークの両方の評価を得ている西麻布のフレンチビストロ。
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