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2017/12/22

Food

意外と知らない?フランス料理でチーズを食べるタイミング。

前回は料理とワインのマリアージュについて書きましたが、「脱サラソムリエが本音で語るレストラン利用術」の17回となる今回は、チーズを取り上げてみたいと思います。

幼少期をフランスで過ごした知人が、チーズのことを「フランス人にとっての漬けもの」と評したことがありましたが、これは言い得て妙だと思います。発酵食品であり、食事の最後に頂く位置付けといい、実に漬けもの的です。地方ごとに特産品があり、地方色豊かな点も漬けものに通じるものがありますね。強いて言えば、今でも漬けものはご家庭で付ける方は結構いると思いますが、チーズを自分で作る方は稀有というところでしょうか。自分の家で作るのはせいぜいフロマージュブランくらいでしょうけど、それもフランスならスーパーで安く手に入りますから自分で作る方は少ないでしょうね。

さて、本コラムの主旨は、「レストランの活用方法を学んでカッコイイお客様になろう」というものですが、チーズはそのカッコイイお客様とそうでないお客様の分かれ道となる鍵の商品かもしれません。食事もワインもチーズもお客さまが楽しく召し上がれば、基本的にはそれで良いと思いますが、フランス料理を召し上がる際には、多少なりともフランス料理の文化的側面を理解しておいた方がカッコイイお客様になれます。

まずは順番ですが、食事 → チーズ → デザート という流れが大前提にあります。日本人にとっては、「チーズ=つまみ」というイメージがあり、アミューズグール(お付きだし)的に、前菜のなかの一つとして食べたいという方が結構いらっしゃり、ご注文を頂いた場合にはご希望に沿って最初にチーズをお出しします。でも、これは和食屋さんに入って、「取り合えず味噌汁!」と注文するようなもので、お店のスタッフからみると違和感のあるオーダーです。少なくともフランス料理を食べ慣れていらっしゃる方からは絶対にないご注文です。

White wine, grape, cheese plate and honey over stone table. Top view

余談ですが、長期旅行をしていて和食が恋しくなり、パリで和食屋さんに入ったことがあります。フランス人4人のグループで、その中の1人だけがある程度和食の知識と経験があるだけで、他の3人はその1人と相談しながら注文をしていました。定食的なものを注文し、お盆に、おかずとご飯、みそ汁等が乗って運ばれてきました。すると、その代表格の方が、醤油さしを手に取り、ご飯にかけ始めました。それを見ていた他の3人も同様にご飯に醤油をかけて食べています。フランス人にとっては主食はパンであり、ご飯は野菜の位置付けです。ですから、塩味の全くない野菜である白米に、醤油というソースをかけて食べる、これは実にフランス人にとっては真っ当な食べ方なのでしょう。でも、我々日本人からみると、これは実に「痛い」光景ですよね。チーズを前菜の中の一皿としてご注文されるのは、この「ご飯に醤油」に通じるものがあるのです。

次回は、チーズに合わせるワインについて書いてみたいと思います。

「脱サラソムリエが本音で語るレストラン利用術」の過去記事はこちら
第16回 着目すべきは料理の色。 「魚=白ワイン」「肉=赤ワイン」だけではないユニークなマリアージュ
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第13回 ビストロオーナー直伝! 味のバリエーションを変える通な料理の選び方。
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ビストロ アンバロン(BISTRO EN BALLON)

〒106-0031
東京都港区西麻布1-9-7

TEL:03-6438-9699
http://bistroenballon.com/

  • 両角 太郎bistroenballon
  • ビストロアンバロン オーナー

金融業界21年間のサラリーマン時代の食べ手としての経験を生かし、「自分が最も通いたい店」として2009年12月にビストロアンバロンを開店。ミシュランガイド「ボンヌ・プティット・ターブル」にて赤フォークとビブマークの両方の評価を得ている西麻布のフレンチビストロ。
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