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2018/05/20

Wine

『純米』グラスができるまで 【開発秘話2】

純米酒とは何か?

リーデルは、2000年に、日本酒の大吟醸に対応した『大吟醸』グラスを発表し、大変ご好評をいただきました。

『大吟醸』グラス発売10周年の記念の年にあたる2010年、『大吟醸』グラスの開発にご協力いただいた蔵元の方々にお集まりいただく機会があり、その席上、「次に日本酒のグラスを開発するとしたら、純米酒に対応するグラスにしては?」というお話がでました。

このころ、日本酒の中で純米酒の認知度は徐々にあがってきていました。

まるでワインのようにフルーティーな香りが特徴的な吟醸、大吟醸に比べ、実直な味わいのものが多い純米酒は、いわゆる通好みの日本酒として、注目されはじめてきたのです。

「それはいい!」

お集りいただいた蔵元さんも、リーデル社のスタッフも、大賛成。ところが、これがまとまらないのです。

「純米酒」の幅が広すぎて、どういうお酒をターゲットにすればよいのか絞り込むことが、まったくできませんでした。

ジャパン・ワイン・チャレンジの際には、同時に行われたインターナショナル・サケ・チャレンジの審査員の方々に、60種類のグラスを用いて、純米酒を飲み比べていただきました。

この時は、純米酒を1種類に絞り込むことができなかったため、敢えて「味わい濃厚、熟成感やしっかりとした酸も感じる純米酒」として代表的な奈良の竹鶴と、「上品で穏やかな辛口の純米酒」と定評される長野の真澄の2種類をご用意しました。

ところが、同じ純米酒でありながら、方向性がまったく異なるこのふたつの日本酒にオーソリティーの方々も手こずり、「いっそ混ぜてしまおうか」などという意見が出るほど。

結局、この時も、「純米酒」をひとつの定義に絞り込むことはできませんでした。

 

頓挫したプロジェクト

さらに2011年の秋、ゲオルグ・リーデルが7つの蔵元さんとそれぞれ面談して『純米』グラスのリサーチする、という機会をもうけましたが、しかし、やっぱり、グラス開発のターゲットをひとつの方向性に絞り込むには至りませんでした。

こうして、『純米』グラス開発プロジェクトは、いちど頓挫してしまうのです。

プロジェクトが頓挫してしまった最大の要因は、一にも、二にも「純米酒というお酒は、こういうモノです」と、絞り込めなかったことにあります。それこそが日本酒の大きな魅力の一つなのですが。。。

たとえば、私たちがワークショップを行った中で考えると、純米酒と対極的な飲み物はコカ・コーラです。

コカ・コーラは、こういう香り、こういう味わい――というゴールが、ピンポイントで決まっています。その香りや味わいは不変のものですし、何と言っても、どの形状のグラスが、コカ・コーラの本来のキャラクターが最も的確に再現できるのか、を選んだのも、そのコカ・コーラ社のプロフェッショナル達ですから、グラスができた後も異論の出ようはずがありません。

『大吟醸』グラスを作ることができたのも、大吟醸の特徴的な香りによって、お酒としてのキャラクターが確立されているためにほかなりません。

大吟醸酒は日本酒の中では、「大吟醸酒とはこういうモノです」と、比較的絞り込みやすいお酒なのです。

(つづく)

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約8年の時を経て実現した リーデル『純米』グラス【開発秘話1】

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  • 庄司 大輔Daisuke Shoji
  • (社)日本ソムリエ協会公認ソムリエ/リーデル社 ワイングラス・エデュケイター

1971年神奈川県生まれ。明治大学文学部文学科卒業、専攻は演劇学。 塾講師、レストラン勤務などを経て、1998年(社)日本ソムリエ協会公認ソムリエ呼称資格取得。1999年にボルドー地方サンテミリオンの「シャトー・トロットヴィエイユ」で学ぶ。2000年リーデル・ジャパン入社、日本人初の「リーデル社グラスエデュケイター」となる。演劇で磨いた肉体表現と、静かな語り口から垣間見える渋いユーモアに定評があり、ファン多数。リーデルグラスとワインの深いつながりやその機能を、グラス・テイスティングを通して広く伝えるため、文字通り東奔西走している。
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