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2018/05/07

Wine

約8年の時を経て実現した リーデル『純米』グラス【開発秘話1】

 

このたびリーデルでは、日本酒……中でも、純米酒に対応した「純米酒グラス」を発表するはこびとなりました。と、いうと、日本酒に、そしてリーデルのグラスに詳しい方ほど、「えっ?」と、違和感をおぼえられるかもしれません。

そもそもリーデルのワイングラスは、「ワインを美味しくするグラス」ではありません。「造り手が、「こんな風味を楽しんでほしいな」と意図したとおりに、ワインを味わうことができるグラス、造り手のメッセージを過不足なくそのままに飲み手へと届けることのできるグラス」を目指しています。

したがって、グラスを開発する際には、対象となるぶどう品種やワインの造り手に複数お集りいただき、何度もワークショップを重ねます。まず、さまざまなかたちのグラスを用意してテイスティングをし、理想的な香りや味わいが感じられないかたちのグラスを排除していきます。

その後、残ったグラスに調整をくわえながら、「理想のかたち」を導き出していくのです。この際、重要になるのは、対象となるワイン特有のキャラクターを規定すること。

たとえば、Aというぶどう品種に対応したグラスを作るには、Aから造られたワインは、どのような香り、どのような味わいを持っているのか?をまずは把握しなければなりません。私たちリーデルでは、そのブドウ品種の個性を最も的確に、そして強固にイメージできるのが、生産者であると考えるのです。

その上で、それらの個性が正しく再現されているか?ということが、グラスのかたちを決めていく手がかりとなるわけです。

 

『純米』グラスの難しさ

まさにここに、『純米』グラスの難しさがありました。

ぶどう品種なら、造り手によってさまざまな表現があるとはいえ、「ああ、確かにこの香りや味わいの骨格には、このブドウ品種の特徴がよく表れているな」というような、ブドウ品種に固有の、香りや味わいに共通するキャラクターがあるものです。

しかし、日本酒の場合、ひと口に「純米酒」といっても、その香りや味わいは、千差万別。星の数ほどある純米酒が、それぞれまったく異なる方向をむいているのですから……そもそも「純米酒」をひとつの方向性に規定すること自体、不可能といって過言ではないでしょう。(もちろん、ワインにおける「ブドウ品種」と、日本酒の格を表す「純米酒」を同一に論じることには難しさがありますが)

したがって、「リーデルが、純米酒に対応するグラスを開発した」と聞いたら、日本酒に詳しい方ほど、そしてリーデルというブランドをよくご存知の方ほど、「純米酒をひとつの方向性に規定するなんて、そもそも無理なこと。リーデルは何をやっているのだ?」と、思われるに違いありません。

私も、開発に至るまでの経緯を知らなければ、きっとそう思ったことでしょう。

(つづく)

[関連記事]

『純米』グラスができるまで 【開発秘話2】

<エクストリーム> 純米(1個入) ¥3,000(税別)

  • 庄司 大輔Daisuke Shoji
  • (社)日本ソムリエ協会公認ソムリエ/リーデル社 ワイングラス・エデュケイター

1971年神奈川県生まれ。明治大学文学部文学科卒業、専攻は演劇学。 塾講師、レストラン勤務などを経て、1998年(社)日本ソムリエ協会公認ソムリエ呼称資格取得。1999年にボルドー地方サンテミリオンの「シャトー・トロットヴィエイユ」で学ぶ。2000年リーデル・ジャパン入社、日本人初の「リーデル社グラスエデュケイター」となる。演劇で磨いた肉体表現と、静かな語り口から垣間見える渋いユーモアに定評があり、ファン多数。リーデルグラスとワインの深いつながりやその機能を、グラス・テイスティングを通して広く伝えるため、文字通り東奔西走している。
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