ワインにまつわることわざ・名言集 フランス編

ワインにまつわることわざ・名言集 フランス編2017.09.06 UPDATE

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お酒にまつわることわざは世界各地に存在します。

今回は、フランスに伝わるワインの名言やことわざをご紹介します。

お国柄や民族性があらわれる「ことわざ」

「太く、短く」や「長いものには巻かれろ」などという言いまわしは、いかにも日本的。ことわざや慣用句には、お国柄や民族性が如実にあらわれます。

ワインにまつわることわざなどから、フランスのお国柄を見てみましょう。

フランス人らしいパースペクティヴ

まるで女性のように
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「ぶどう畑と美人は手がかかる」
Les vignes et les jolies femmes sont difficiles a garder.

とは、まことに恋に巧みなフランスらしいことわざ。

一方で、

「可愛気のない美人は、劣化したワインのようなものだ」
Beaute sans bonte est comme vin evente.

というものも。きっと、凄い美人(凄い銘柄のワイン)なのに、性格の悪さ(保存の失敗)で台無しになってしまっているのでしょうね。

哲学的に

一方で、良いワインは、人生や仕事の原動力。

「美味しいパンとご馳走、それに旨いワインがあれば医者いらず。」
Avec bon pain,bonne chere et bon vin, on peut envoyer promener la medecine.

日本でも、「四里四方のものを食べていれば病気にならない(新鮮なものを食べていれば健康)」や「酒は百薬の長」などということわざがあります。美味しい食事は、健康には欠かせません。

「美味しいパンとよい酒があれば、いい道ができる。」
Bon pain et bon vin et tu feras un bon chemin.

ということわざも、共感できますね。日本の「腹が減っては戦ができぬ」よりもクラフトマンシップが感じられて、むしろ日本人好みのことわざといえるでしょう。

ワインはまた、心をも豊かにしてくれるもの。

「肉は身体を作り、パンは腹を満たし、ワインは踊りを躍らせる。」
La viande fait la chair,le pain fait le ventre et le vin mene la danse.

日本でも、「酒は詩を釣る針なりし」「酒は憂いを払う玉箒(たまはぼき)」などといいますね。

17世紀に活躍した哲学者のデカルトは、ワインの名産地ロワール地方の出身。「我思う、ゆえに我あり」という名言で知られていますが、彼はまた、

「私は飲みながら考え、考えながら飲む」

という言葉も遺しています。「我思う」の原動力は、実はワインであったのかもしれません。

滅菌醸造法を普及させ、ワインという飲み物全体の品質向上に貢献した細菌学者のパスツールは、ワイン業界の恩人ともいうべき人物ですが、こんな名言を遺しています。

「一本のワインボトルの中には、全ての書物にある以上の哲学が存在している。」

発酵食品であるワインには、人の目に見えない不思議が満ち満ちている——というほどの意味でしょうか。隣同士の畑であっても味わいがまったく異なる、などということもあり得るワインの不思議を鑑みると、一層含蓄深く感じられます。ことわざにもあるとおり、

「真実は、ワインの中にある」
La verite est dans le vin.

ということでしょう。

人生のさまざまなシーンに
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ナポレオン・ボナパルトは、シャンパーニュを大変好み、

「シャンパーニュは、勝利の時には飲む価値があり、敗北の時には飲む必要がある。」

という言葉を遺しています。

人生の辛いシーンにこそ、美味しいワインはあってほしいものです。

黒澤明監督の『赤ひげ』(1965年)にも、赤ひげ先生から「女房子供のことを考えて酒をやめろ」といわれた患者が、「女房子供のことを考えればこそ、これが飲まずにおられるか」と言い返すシーンがあります。

「パンの無い家は悲しみに暮れるが、ワインがない家なら死んだ方がマシだ」
Une maison sans pain fait pleurer’une maison sans vin fait mourir.

「酔うことができるならば、酒壜はどうでもいい」
Qu’importe le flacon pourvu qu’on ait I’ivresse.

などということわざは、日本の「花より団子」にも通じますね。

フランスのワイン小噺

フランスワインといえば、ワイン界の最高峰。

厳格な原産地呼称制度に裏付けられたイメージがありますが、150年ほどさかのぼり、何ゆえ厳格な原産地呼称制度が必要であったかをひもとくと、当時のこんな小噺にたどりつきます。

とても成功したワイン商の死期が近づき、枕もとには息子達が集められました。「わしはもうすぐ死ぬ。お前達に教え忘れていたことがある」——と。

「いいか、ワインというのはな、ぶどうからもできるんだぞ……」

お父さん、いったい何からワインを造っていたの?

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  • 髙山 宗東
  • muneharutakayama

ワインコラムニスト・歴史家・考証家・有職点前(中世風茶礼)家元


専門は近世史と有職故実。歴史的観点を踏まえてワインのコラムなどを執筆。

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