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2016/11/08

Column

2016年の解禁日は? ボジョレー・ヌーボーにまつわるトリビア

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秋になると話題にのぼる、ボジョレー・ヌーボーの解禁。ワインの愛好家たちにとっては、その年のワインの出来映えを占う、試金石でもあります。今回は、ボジョレー・ヌーボーにまつわる豆知識や歴史などをご紹介します。

ボジョレー・ヌーボーの魅力

毎年、11月の第三木曜日はボジョレー・ヌーボーの解禁日。この日は賑やかに、さまざまなイベントが催されます。今年2016年は11月17日。酒販店やレストランなどでは、きっとまた賑やかなイベントが開催されることでしょう。

ボジョレー・ヌーボーのトリビア

トリビアその1 解禁日は元々11月の第3木曜日に決まっていなかった?!

ボジョレー・ヌーボーの解禁日といえば、毎年11月の第3木曜日。しかし伝統的には、長く解禁日は聖マルティヌスの記念日である11月11日でした。

ところが1918年のちょうどこの日に第一次世界大戦が終結したため、戦没兵士の追悼記念日となり、「新酒のお祭りをしている場合ではない」という配慮から、最も近い聖タルベールの記念日である11月15日に変更、さらに1984年に、解禁日が土日にかかるとヨーロッパではほとんどの酒販店が店を閉めてしまうため売れ行きが悪くなるという配慮から、毎年11月の第3木曜日と定められました。

戦争と経済は、常にさまざまな影響を与える……ということでしょうか。

トリビアその2 そもそもヌーボーは、普通のワインと造りが違う?!

一般的なワインは、葡萄を絞った果汁を発酵させます。「発酵」とは、果汁に含まれる糖分を、酵母がアルコールと二酸化炭素に分解すること。

これに対し、ボジョレー・ヌーボーは、収穫した葡萄を、絞らずにそのままタンクに入れ、醗酵させます。この時、発酵によって発生した炭酸ガスの影響で、リンゴ酸分解酵素が活発化し、そのリンゴ酸からアルコールが生成されます。これを、「マセラシオン・カルボニック法」といいます。

この手法で造られたワインは、発色が美しく、タンニンの影響が少なく、リンゴ酸が分解されるためにまろやかで、通常のワインよりも早く仕上がるためフレッシュな味わいに仕上がります。

まるでジュースのように飲みやすいボジョレー・ヌーボーの味わいは、こうして形成されるのです。

トリビアその3 ボジョレーの生産者たちは、日本のヌーボーイベントにとても感謝している?!
trivia

ボジョレー・ヌーボーの早飲みイベントは、イギリスの発祥といわれます。1980年代頃には、世界中で賑やかに行われていましたが、その後はやや下火に。

しかし、世界中で最も早く日付が変わる地域に位置する日本は、本国フランスに先がけて最も早く飲めるというゆえからか、30年来継続的にこれを行っています。いわば日本は、ボジョレー・ヌーボーイベントの代表的な国なのです。

このことを、実はボジョレーの生産者たちは大変感謝してくれています。

ヌーボーが世界的イベントなったことで、ボジョレーの造り手たちは、経済的な基盤を整えることができました。彼らは、その余裕をボジョレーの再重要品種であるガメイ種の品質をあげるための研究につぎ込みました。

土壌の分析、ミクロクリマの発見、クローンの培養、最新鋭の醸造設備の導入——こうした研究と開発のお蔭で、これまで近隣ブルゴーニュのピノ・ノワールの陰に隠れがちだったガメイは近年メキメキとその実力をあげ、ボジョレーでは続々と、素晴らしいスティルワインが生み出されています。

今年も楽しくボジョレー・ヌーボーを!

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ガメイ種の研究が進んだことによって、ボジョレーのスティルワインが美味しくなった——ということは、当然ボジョレー・ヌーボーも、その品質を上げています。

世界のワインスノッブの中には、「早飲みイベントなんてくだらない」などという向きもあるようですが、日本の佳き伝統にのっとって。ボジョレーの造り手たちと一緒に、このお祭りを楽しみたいものです。

「今年はボジョレー・ヌーボーを飲みますか?」

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Author: 高山 宗東

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  • 髙山 宗東muneharutakayama
  • ワインコラムニスト・歴史家・考証家・有職点前(中世風茶礼)家元

専門は近世史と有職故実。歴史的観点を踏まえてワインのコラムなどを執筆。
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